
oishi mai
議会報告①
議会報告その①
【あなたの個人情報が、第三者に手渡される??#匿名加工情報】
行政に登録してある自分の個人情報(氏名住所・納税記録・家族構成etc..)が、民間企業によって匿名加工され、第三者に渡ることになったら、、、どう思いますか??
しかも匿名加工されてあるので"個人情報"とはみなされず、本人に提供した事実は知らされません。
第三者とは主に企業ですが、目的外使用も認められています。
残念ながら、国の個人情報保護法の改定によって(デジタル関連法が通ったことによって)、すでに国ではこんな事が合法的にできるようになってしまいました。
匿名加工する際に業者に個人情報を渡し、さらに加工したとはいえ、AI技術が発展している昨今、その情報を第三者に渡す。
何重にも情報漏洩の可能性があり、私は非常に危険だと思っています。
こういう事実が国民にほとんど知られていないことも、大きな問題だと感じます。
私はデジタルには弱いのですが、
匿名加工情報というよく分からない言葉に不安を覚え、しかも議会の条例ではそれを提供できるような文言にしていることに違和感を覚え、
苦手ながら四苦八苦、十苦して調べました。
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自分なりのまとめ
・匿名加工情報は、個人情報保護法の変更点の中心ポイントであること。
https://www.soumu.go.jp/main_content/000471963.pdf
・日本弁護士連合会も、個人情報保護法が"利用"に偏った法となっており、地方自治を尊重すべきとして、意見書を出していること。
https://www.nichibenren.or.jp/document/opinion/year/2021/211116.html
・各自治体の個人情報保護条例は、地方自治の象徴的存在であったこと。
それが国の個人情報保護法改定によって、地方自治体独自の条例は廃案となり、共通ルール化されたこと。
http://www.rilg.or.jp/htdocs/img/reiki/017_privacyprotection.htm
参考文献:議会と自治体 2022年8月号
・国の個人情報保護法の目的にも、個人の尊厳や基本的人権用語の文言はなく、「個人情報の適正かつ効果的な利活用」に偏った記述になっています。
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=415AC0000000057
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大井町も、以前の個人情報保護条例では目的として「個人の尊厳を保つ上で個人情報の保護が重要である」ことや「基本的人権の擁護及び公正で民主的な町政の推進に寄与すること」などと書かれていました。
https://www.town.oi.kanagawa.jp/d1w_reiki/H414901010023/H414901010023.html
今回改訂された施行条例では、そのような文言は何も書かれていません。
(まだネット上に条例があがっていませんが)
施行条例には、匿名加工情報等の名称は明記されていません。町も当面は積極的に扱う予定はない、という答弁でした。
現状の町の姿勢は評価できますが、今後状況が変われば扱う可能性はあると答弁されたので、反対をしました。
(国の法に基づくものなので、行政としてはやれと言われれば、やらざるを得ないのだと思います。)
一方で議会の個人情報保護条例には、匿名加工情報の文言が初めから明記されていました。議会の個人情報保護条例にも反対しました。
ちなみに議会は、全国市議会議長会の資料では"匿名加工情報の提供を想定しない"、と記されているにも関わらず、提供できる文言にした点は、非常に不可解でした。
睡眠時間を削って修正案を作りましたが、取り上げてもらえず。あまり議論もされないまま、私一人の反対で通過してしまった形です。
個人情報の扱いが、根本から変わってしまったと感じます。しかも非常に見えづらい形で、ひっそりと。
こうやって重要なことが、少しずつ少しずつ変えられていくんだなと思いました。
社会は少しずつしか変わらない。それは良い場合だけでなく、悪い場合もそうなのだと思います。
反対するには勇気がいります。
でも、(私にとっては)悪い方向に進もうとする時に、たとえ一人でも反対をすれば、少しは流れを変えられるかもしれないですよね。
今回の討論は、条例の問題点を明らかにして、知ってもらうことを目的に書きました。
結果だけ見れば「個人情報保護に反対するなんて、個人情報を守らなくてもいいってことか?」と言われそうですが、むしろ逆で、
個人情報を守るために、この条例では守られないと思うから反対しました。
皆さんはどう思いますか?